【電力自由化】よくでてくるキーワード
「電力自由化」がスタートし、世の中が動きはじめました。しかし初めて目にする言葉が多くて「良く理解できない」というのも事実。まずは基本的な用語を押さえておきましょう。
小売電気事業者
一般家庭や企業などに、電気を販売する会社のことです。電気の購入先を変える際に実際に申し込む先は、この小売電気事業者となります。今回の電力自由化にともない「発電」「送配電」「小売」など役割によって、電力会社が分類されるようになりますが、小売電気事業者は文字どおり電力を仕入れて消費者に販売する「小売」を担います。
一般電気事業者
電力自由化以前から地域ごとに電力事業を手がけてきた、東京電力、北海道電力、東北電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力のことです。自由化以前は、それぞれの地域で独占的に電気を販売してきましたが、自由化以後は独占状態にピリオドが打たれます。そして私たちにとって彼らは選択肢のひとつに変わります。また、販売地域の棲み分けもなくなるのにともない、たとえば東京電力なら、中部・関西エリアでの電力提供を予定しています。
規制料金と自由料金
東京電力など一般電気事業者が徴収してきたこれまでの電気料金は、料金設定に政府の認可が必要だったため、無断では変更できませんでした。このように決められた料金のことを「規制料金」といいます。一方、電力自由化以降は、電気料金の設定も完全に自由化されます。そのため各電力会社(小売電気事業者)が、競争力の高い料金を掲げるのも自由に。なお2020年春までは、現行の規制料金メニューでの提供が継続されるため、消費者が自ら料金メニューの変更や電力会社の乗り換えをしない限り、規制料金で電力を使い続けることになります。
一般送配電事業者
一般家庭や企業に向けて送電するために全国に張り巡らされた、送配電ネットワークの運用・保守を行う会社のことです。小売電気事業者が販売する電気も、この送配電網を経由して、私たちのもとへと届きます。もともとは東京電力など各地域の電力会社の一部門でしたが、2020年までに発電や小売部門から分割され、中立的な立場の事業者となります。2016年4月には、他の地域に先駆けて東京電力から「東京電力パワーグリッド」が誕生しました。
再生可能エネルギー
太陽光、太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱といった、主に自然現象のサイクルを活用して取り出すエネルギーのことです。限りのある石油や石炭、天然ガスといった化石燃料とは異なり、いくらでも再生可能なため枯渇の心配がありません。また地球温暖化の一因と言われている二酸化炭素も発生しないため、エコであることでも注目されています。
新電力(PPS)
企業や大規模マンションといった大規模消費家向けの電力市場は、すでに自由化されており、各地域の電力会社以外にも電気を販売している会社があります。この「新たな電力会社」のことを正式には「特定規模電気事業者」といいますが、一般的には「新電力」あるいは「PPS」と呼ばれています。これまで一般家庭では、この新電力から電気を買うことはできませんでしたが、電力自由化によって新電力は小売電気事業者へと変わり、一般家庭への販売が可能となります。
ピークカット
空調機器がフル稼働する夏場や冬場の日中は、電力需要が高まります。これが「電力ピーク」の代表例ですが、空調の設定温度を控えめにすることで消費電力を節約し、電力会社からの供給電力量を抑えることを「ピークカット」といいます。自宅に導入した太陽光発電システムで生み出した電気を使う、または夜間に家庭用蓄電池に貯めた電気をピーク時間に利用することでも、ピークカットには貢献できます。
ピークシフト
電力需要の高い電力ピークに電気をなるべく使わず、そのぶん需要が少ない時間帯に電気を使うことです。一般的に電気は貯めづらく、発電量を急激に調整することも難しいため、「ピークカットを実現するにはピークシフトをする」という方法が有効です。電力会社によっては、需要が少ない夜間の電気料金を安く設定したメニューも用意されていますので、ピークシフトを意識することで節電・節約を実現できます。
見える化
スマートメーターは、電力使用量を30分ごとに自動で計測します。日々の電力使用量は、Webサービスを通じてパソコンやスマホから把握できます。旧来のメーターでは一カ月単位での総使用量しか把握できませんでしたが、スマートメーター導入後は時間帯や季節ごとの使用パターンを「見える化」しやすくなるため、さまざまな電力会社がリリースする多彩な料金メニューから自分に合ったものを選びやすくなるでしょう。またHEMS機器と連動すると、さらに細かく、リアルタイムの電力使用量を「見える化」できます。
(参考:Yahoo!特別企画 電力自由化特集)
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