家庭向けのシェア2.7%、新電力300社以上が自由化6カ月目に
電力の小売全面自由化から6カ月後の競争状況を国の委員会が検証した。新電力の数は300社を超える一方、家庭向けの販売シェアは2.7%にとどまっている。東京・関西・北海道でシェアが高く、その他の地域は低い。地方では自治体が出資する事業者が増えて、シェアの上昇に期待がかかる。
経済産業大臣に直属する電力・ガス取引監視等委員会が、電力市場における競争状況の評価をまとめた。競争の進展を示す新電力(小売電気事業者)の市場シェアは、全面自由化から6カ月が経過した2016年9月の時点で7.7%だった
家庭向けに販売する低圧電灯(契約電力50キロワット未満)のシェアは2.7%で比率は小さいものの、今のところ競争状況は判断しにくい。このペースで伸びていくと、1年目のシェアは5%程度になる見通しだ。すでに自由化から16年目に入った企業向けの特別高圧(2000キロワット以上)のシェアは5.3%にとどまる一方、11年目の高圧(50~2000キロワット)は9.3%まで伸びた
特に注目すべきは、特別高圧・高圧ともに直近の1年間で新電力のシェアが急上昇している点だ。家庭向けの小売自由化に伴って新電力が一気に増えて、市場の流動性が高まったことによる。今後も家庭向けと合わせて企業向けでも新電力のシェアが伸びていく可能性は大きい。
ヨーロッパの先進国の状況を見ると、全面自由化から20年近くを経過したイギリスでは、自由化の1年目で新電力のシェアは10%を超えていた(図3)。8年目には50%近い水準まで上昇している。一方でフランスは8年目の2015年にようやく10%に達した。もともと電気料金の水準が他の国よりも低く、利用者が既存の電力会社から切り替える必然性が小さいためだ。
【2017.1.27 スマートジャパン記事より】
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