切り替えをはばんでいる「スイッチングコスト」という考え方
電力自由化から早1ヶ月が過ぎますが、電力会社の切り替え件数は1%台と低調です。
その大きな理由として、「調べるのが大変」(クリエイティブ・ジャパン調査結果。調査は、20〜60代までの各年代から200人ずつ抽出した1000人を対象とし、インターネット上で2016年4月17〜18日にかけて実施)ということのようです。
上記を意識することにより、ユーザーの具体的な心理状況・判断状況において以下のようなストーリーが確立できます。
「スイッチングコスト」という考え方
◆「スイッチングコスト」とは、顧客が現在利用している商品・サービスから、他の会社の商品・サービスに乗り換える際に、負担しなければならない金銭、手間、心理的なコストのことです。
例えば、現在使用しているスマートフォンを買い換える場合、
1.金銭的コスト=買い替え費用
2.手間コスト=新しい機種の操作に慣れるために費やすべき時間と労力
3.心理的コスト=新しい使い方を学び直さないといけないプレッシャーなどが発生します。
一般的に顧客は、乗り換えることによる直接的なメリットだけでなく、メリットとスイッチング・コストを天秤に掛けて購買の判断をします。
ある商品やサービスについて乗り換えの提案をする場合には、顧客のスイッチング・コストを理解し、それを低くすることが購買動機を高める有効な施策となりえるのです。
◆「スイッチングコスト」の最小化で、切り替え件数を最大化させる!
この「スイッチングコスト」の最小化を、新電力ビジネスに置き換えてみた事例が、上記の2社の事例になります。
東京ガスは、リスティング広告(検索エンジンの結果ページへの有料広告)で「いつでも解約できる新電力」と表示させるように出稿しています。
これは「一度新電力に変えたら、もう解約できないのではないか?」や「他の新電力はもう選べないのではないか?」という顧客の心理的コストを上手く最小化させる取り組みとなっています。
また、JXエネルギーのHPのトップページには「まとめなくてもおトク!」というキャッチフレーズが大きく目立ちます。
これは「ガスやインターネット、ケーブルテレビとのセット割引など縛りを受けたくない」や「結局どれが一番おトクか比較するのが面倒」だという顧客の心理的コスト・手間コストを最小化させる取り組みになっています。
このように、トップ企業は「スイッチングコスト」を最小化して、切り替え件数を最大化させているのですね!
参考:株式会社船井総合研究所 スマートエネルギーチーム 業界最新レポート より引用
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